【ネタバレ感想】クナド国記【Purple software】

エロゲ感想
出典:クナド国記

こんにちわ!かずきちです!

自分にとって2021年最後の新作エロゲである「クナド国記」をクリアしましたよ!

体験版をプレイした時は、今年一番のシナリオゲーになる予感がし本編自体もわくわくしながらプレイしていました。

本作は”言霊”という言葉にすると何でもその通りになってしまう能力があり、過去作のアマツツミにも通じる所があるのでファンには嬉しい設定ですが、アマツツミをプレイしていなくてもクナド国記自体は楽しめます。

何故かというと、過去作のキャラが出てくるようなことも無く直接的なつながりが無いからです。

ちなみに両方の作品をプレイ済みの方のレビューを見ていますが、「アマツツミの曲が流れて最高!」「アマツツミに比べると全然ダメ!」など意見が2極化していました。

それではこの作品の内容やゲームの感想について書いていこうと思います。

クナド国記とは

老舗エロゲメーカーのPurple softwareが2021年12月24日に発売した破滅を回避した人類が文明を復興していく”再生と青春の物語”ADV

本作の舞台はカントと呼ばれる人口800人の人類が生活してる小さな国。

主人公のは1000年前の人類の生き残りとしてこの時代に目覚め、文明や技術が失われたこの国に、希望や幸せを与えていくのが大きな役割となってます。

過去の人類は鉄鬼という鉄で出来た存在に滅ぼされてしまい、鉄鬼は今現在も人類を怯えさせているけど、そんな人類も鉄鬼に対抗するために特殊能力に目覚めています。

序盤はこの世界を知りながら信によって変わっていくカントの人々を見守りつつ、後半からは鉄鬼や英雄である夏姫が大きく関わっていきます。

プレイ時間について

総プレイ時間は19時間30分。攻略ヒロインは3人で選択肢は少ないので自力攻略可能です。

最後の物語まで1本道になっており、優里、茜&葵のシナリオをなぞりつつ途中出てくる選択肢でヒロインの派生(専用)ルートを見れるようになってます。

春姫が最後に攻略できるヒロインですが彼女だけ派生ルートがなく、本編終了後のアフターストーリーで保管する形に。

茜と葵にもアフターがあり、にもおまけシナリオが解放されHシーンはそちらで見れます。

Hシーンについて

出典:クナド国記

鑑賞モードで13シーン。ヒロインには陰毛描写がありますが茜と葵にはありませんでした。

  • 春姫:3シーン
  • 優里:3シーン
  • 茜&葵:4シーン
  • 夏姫、燕、識:それぞれ1シーン

Hシーンはエロも人気なパープルにしては少なく、優里は本番シーンが2回あるけど場所が違うだけのCG使いまわしで非常に残念でした。

茜と葵も幼い身体ということもあり本番が見れるのは3回目とアフターのみ。

夏姫は序盤で信とのHシーンがあるのみでした。

燕と識はクリア後のおまけで見れます。

以上を踏まえエロのボリュームが過去作や他メーカーのフルプライス作品に比べ弱いので、ここに大きな期待をしている人はがっかりすることでしょう。

ここからはシナリオの感想をネタバレありで書いていくので未プレイの人は進まないようにしてください!

 

シナリオ感想

出典:クナド国記

序盤では信のやるべきことや彼の正体などカント独自の文化に触れつつ、丁寧に仕上がっていてとても面白かった。

優里から始まる3人のヒロインの物語は、正直に言ってだんだんと盛り下がっていくのが率直な感想。

黒神の中にいる夏姫がちょくちょく登場するけど、信の脳に直接干渉することで出番が多いのと、警告という名のネタバレをしてくるのでだんだん嫌いになっていきました。

次に起こる展開が分からないから読み進めるのが面白いのに、死鬼が襲ってくる事を予見したり、信に言霊を使い行動制限をするなどやりたい放題だったので、双子ルートは死鬼が出てくるまでテンションがかなり下がります。

先が気になるワクワク感が削られるし、ミステリアスな立場でいて欲しかったのにこうも登場シーンが多いと、その場にいないのにすごく身近に感じる存在で尚且つ最終的に何とかしてくれそうと思ってしまう。

そして最後の春姫ルートは他のヒロインに比べ春姫の出番が少なく、完全に置物状態になってしまっている事。

信と夏姫が戦う場面では彼を見送って終わってしまい、次に登場するのは戦いが終わった後で、この間夏姫の存在感や多くの事がここで明かされていくので感情移入もしにくく、せっかくのセンターヒロインが台無し。

エピローグはご都合主義な感じがしていたので、自分と登場人物のテンションが相反しながら終わっていき非常に残念でした。

優里ルート感想

出典:クナド国記

怪力の能力を持つ普通の女の娘。声優は鈴谷まやさん。

信の事を目の敵にしていて最初の印象は良くなかったけど、行動を共にしていくとわだかまりが無くなっていき、年相応の可愛らしさがにじみ出てくるので大変良かった。

シナリオは、最初に攻略できる事と彼女が「何者でもない少女」という立場もあり内容はソフトな感じ。

一之神であり憧れの春姫に挑戦し、その戦いに勝つことで幼い頃に抱いた夢を叶えるまっすぐな心を持った優里らしい話だった。

結果は残念ながら負けてしまうけど、優里が勝てるように信やカントの人々が彼女に協力する姿は美しいし、今回の事で次の年も誰かしらが八剣に挑める恒例行事になった。

優里が春姫を追い詰めた時はOPがBGMとして流れたので「勝ったな」って思ったけど、さすがに八剣最強の春姫も勝ちは譲らなく予想が外れたのは残念。

そして、後日この戦いを見ていた優里の父親が現れるが、仮面をしてる事もあり最初は正体が分からない。

優里は最後まで正体を知らずに別れることになるけど、父親であることを知り街中に消えた彼に対し思いっきり”叫ぶ”。

親子愛に弱い自分はここで泣いてしまいました…

特に父親が優里に向かい駆け寄る時の必死な顔が描かれたCGがすごく心にささりました。

20代前半とかだったら泣かないと思うと涙もろくなったことを実感しますね。

茜&葵ルート感想

出典:クナド国記

風を操る茜と雷を操る葵の双子は可愛らしい姉妹。声優は姉の茜を蒼乃むすびさん、妹の葵を小波すずさんが担当。

二人は言霊使いが暴走した時の為の最終的な抑止力として、古くからその役目を背負い生きてきた。

その為、かつての夏姫や現在のカントの統率者で一乃神である春姫よりも、強くあろうと日々努力してきた。

そんな二人のシナリオでは、信に対する双子の恋心や鉄鬼側の策略でカントにピンチが訪れる。

カテゴリー3に該当しとてつもなく強い死鬼が2体もカントに現れ、一度は敗北するも信と茜と葵が力を合わせ2体を撃破。

本筋は姉妹の絆や、茜のカントの住人を想う気持ちが見れてすごくいい話でした。

バトルシーンは本作で一番力が入ってると感じさせるほどで、3人の命を賭けた全身全霊の一撃はものすごく熱くなれるのでバトル物としても最高の出来だったと思います。

そして専用ルートに入ったら死鬼を倒した功績を称え、二人に新しい衣装が渡されます。

出典:クナド国記

メッチャかわいい!!!

普段の和風な衣装もいいけど西洋風な服装に合わせて髪型も変わるのは最高でした!

ただ、シナリオとしては正直これじゃない感が…

専用ルートでは、偶然が重なり過去の人物でありYOUを造った開発者の小島一花とYOUを通して連絡ができるようになる。

過去に干渉&改変する話が中心になり、これに夏姫も出てくるので双子ちゃんの存在意義が薄かった…

信が夏姫と平気でコンタクトが取れるようになり、彼女にお願いしたりアドバイスされるなど少しご都合感があるし、夏姫の出番が多く余計に双子が置いてけぼりな感じがして残念だった。

エピローグは10年後の話でかなり状況も変わってはいるけど、信と茜と葵が仲睦まじくお互いの距離感も変わらない感じがしてここはよかったかな。

双子は二人とも成長した姿を見せてくれるので、スタッフ陣にかなり愛されてる気がしますw

春姫ルート感想

出典:クナド国記

カントの統治者であり八剣最強の言霊使いの少女。声優は秋野花さん。

信に名を与え、同じ言霊使いである信を見定めながら、彼がカントに希望や幸せを与えてくることを誰よりも期待している。

序盤から終盤まで、統治者としての顔や年相応なあどけない少女の顔を見せてくれていたけど、彼女の正体は夏姫が言霊で作り出した存在。

本人はその事を知らず、カントでこの事実を知ってるのは夏姫の兄である冬人のみ。

途中で信のことを兄と呼んだり、逆に表向きは兄であるはずの冬人の事を兄と呼ぶことに抵抗を感じる場面は違和感を感じていました。

春姫ルートに入ると10年前に夏姫が統治者になり冬人と会話するシーンがあるけど、この時に春姫について何も触れない事も大きな違和感を抱く要因でした。

夏姫は言霊使いとして極まってしまい、飲まず食わずでも生きられるし、呼吸するしていない時があるなど人間離れした存在で、やろうと思えば死んだ両親や姉である秋姫も蘇生が可能だとか。

その事から、春姫がもしかしたら作られた存在であるというのを予想するのは容易で見事に的中してしまい、ライターがわざとこうしたのか、それとも意図していないのか知りませんが”やっぱりか”って思いました。

一番の見せ場である信と夏姫のラストバトルは少年漫画のような展開。

人を超越し世界と一つになった夏姫に対し、信はこのままでは勝てないので黒神と一体化。

それでも彼女には到底及ばないので、世界中の鉄鬼と繋がり共振源にたどり着き信は覚醒する。

最終的に鉄鬼と言霊の力で夏姫を倒すけど、超常的な存在に超常的な力で解決するのがこの作品で書きたかった事なのだろうか?

物語の中盤で夏姫は「言霊の本質は相手を操るのではなく、自らの命を使い相手と繋がる事」ととても素敵な事を語っています。

出典:クナド国記

自分はこの事から信が言霊を使い、夏姫や人の言葉が分からない鉄鬼と繋がり綺麗に戦いを終結に導くと期待していたけど、夏姫を倒し鉄鬼に対しては”終了”と告げ眠らせてしまう力技で解決。

ここで終わってくれればまだ良かったのに、エピローグで夏姫が復活し春姫を冬人の前に現れる。

彼女曰く世界が産みなおし再生してくれたのだと。

せっかくいい感じに消滅したのになぜ戻してしまったのか。数分前の感動が台無しである。

夏姫はけじめをつけるために春姫の言霊で最後は消えようと思っていたが、なんとここで冬人が「世界すら見逃す知覚不能な一振り」というすご技で夏姫の願い通りに殺す。

情報量が多いし、いい所で脱字があったのでもう完全に冷めてしまいかなり蛇足でした…

夏姫は結局眠りについた信を蘇らせるために使われ、目覚めた信は鉄鬼の力が無くなり人間として蘇るというご都合展開。当然ながら感動は出来なかった。

個人的に一番気になっていた鉄鬼の正体について明かされたのは少しスッキリできたので良かった。

鉄鬼は物理法則・物理エネルギーによって支えられた存在で、その法則を根底から覆す可能性を持つ人間が怖いという恐怖から人類を敵視する。

人類を滅ぼそうとする理由は最初はよくわからなかったけど、何回か読んでるうちになんとなくだけど分かった気がする。

カントの成長や日常を描くシーンでは楽しく読めるけど、いざ物語の核心に至る所になるとだいぶ失速したのは残念ですね。

総評

出典:クナド国記

シナリオに関しては勿体ないの一言です。世界観や設定など魅力盛りだくさんだったけど、今回はうまく活かせなかった気がする。

あとは信が、ヒロインに対して心の中で何回も可愛いを連呼してて、最初は「そうだな!」と共感していたけど終盤まで息を吐くように言うのでそこまで行くと逆に不快でしたね。

女の子は可愛いのが当たり前なので何回も言葉にしなくてもいいです。

八剣の内3人が登場しないまま終わったのも残念だったし、死んだ秋姫は名前だけは出てくるけど、名前が語呂合わせな気がして可愛そうでした。

エロに関しては元々期待してなかったので自分としてはダメージはデカくなかったと言っておく。

こもわた遥華さんのSD絵は見ていて癒されましたね。

音楽も和風なイメージにぴったりだったし、OPもみゆきさんが歌っているので良かった。

サブキャラは声優が好きなのもあるけど腕輪であるYOUの存在は大きかった。

機械なので淡々と語る口調だけど、時々感情的な喋り方をするのはお茶目な感じが出ており、さすが鉄鬼に汚染されたAI。

日常的な部分では楽しめるし、バトルシーンも案外悪くなかったが肝心の物語の締めが残念だったのでシナリオに期待してる人はあまり期待せず、軽い気持ちでプレイするのがいいですね。

中盤までは楽しめるのでむしろそちらが本編といってもいいくらいです。

終わりに

ここまでクナド国記の感想を読んでくださりありがとうございます。

2021年最高のエロゲだと意気込んで購入しプレイしたけど、期待してた分落胆も大きいですね。

正直老舗のパープルソフトで地雷とは言わないけど、そこそこのクオリティの作品をプレイしてしまい正直悲しい。

シナリオもそうだけどエロ方面も力が抜けていたのは非常に残念。

エロが足りない事に落胆する声も大きく、ファンのニーズに応えられないパープルに少々不安を抱く事になったので、当然ながら次回作が出るなら新品では購入せず様子見だな。

次回は定番の学園物になるのかな?どんな形にしろ頑張っては貰いたいですね!

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